0125 江の川の自然堤防上で室町時代の鍛冶工房跡を発見―森原下ノ原遺跡の発掘調査成果について―


 島根県埋蔵文化財調査センターでは、江の川河川改修事業に先立ち、江津市松川町八神に所在する森原下ノ原遺跡の発掘調査を実施しています。このたび、室町時代を中心とする中世の遺構の様子が明らかになってきたことから、調査成果について現地説明会を開催します。

1.森原下ノ原遺跡について
 概  要:縄文時代から江戸時代にかけての遺構・遺物を確認した複合遺跡を発掘調査
 調査期間:令和元年6月3日~12月下旬(予定)
 調査面積:約2,400㎡
 今年度の調査成果
 ・江の川に面した標高6~7mの自然堤防上で、縄文時代中期前半(約5500年前)から江戸時代前期(約300年前)にかけての遺物を多数確認。
 ・江の川の氾濫によって運ばれた砂で埋没した複数の遺構面(生活面)を確認し、これまでに戦国時代から江戸時代の鍛冶炉跡や畑跡を調査。
 ・現在は室町時代の遺構面で礎石建物跡や鍛冶炉跡を調査中で、1400年代を中心とした陶磁器や古銭、250点以上の金属製品、150点以上の鍛冶滓などが多数出土。
 ・室町時代の遺構面の下層には、縄文時代から古墳時代にかけての遺物が大量に出土する地層があり、引き続き発掘調査を行う予定。
 発見の意義
 ・県内では、中世に鉄製品を生産した遺跡は益田市中須遺跡群が知られるが、今回の調査の結果、江の川下流域においても室町時代に鉄製品を生産していることが明らかになった。
 ・遺跡は度々江の川の氾濫による被害を受けており、一般的な集落の遺構・遺物は確認されていない。集落から離れた位置にあり、江の川の水運を意識した立地で鍛冶が行われたことが明らかになった。
 ・江津市松川町には、江の川流域でも屈指の規模をもつ戦国時代の山城松山城跡や、県内でも希少な南北朝時代の七重層塔が存在する一方で、その他の中世の資料は少なかった。今回確認した中世の遺構は、これらと合わせてこの地域の歴史を紐解く資料となる。

2.現地説明会の開催
 ・日  時:令和元年10月6日(日) 13:00~14:00 ※申込み不要、参加費無料
 ・駐車台数が限られますので、できるだけ乗り合わせでお越しください。
 ・滑りにくい靴でご参加ください。少雨の場合でも開催します。