0149 山陰地方初出土の古墳時代絵画土器と漢鏡を発見―森原下ノ原遺跡の現地説明会について―


 島根県埋蔵文化財調査センターでは、江の川河川改修事業に先立ち、江津市松川町八神に所在する森原下ノ原遺跡の発掘調査を実施しています。このたび、調査がほぼ完了したことから、その成果について現地説明会を開催します。

1.森原下ノ原遺跡について
【概  要】 縄文時代から江戸時代にかけての複合遺跡
【調査期間】 令和元年6月3日~令和2年1月末(予定)
【調査面積】 約2,400㎡
【今年度の調査成果】
・江の川に面した標高4~7mの自然堤防上で、縄文時代中期前半(約5500年前)から江戸時代前期(17世紀)にかけての遺構・遺物を多数確認。
・これまでに縄文時代から古墳時代にかけての遺物が多く出土する遺物包含層、平安時代(9~12世紀)以降の江の川の氾濫跡、鎌倉時代から江戸時代の畑跡、鍛冶炉跡、礎石建物跡、掘立柱建物跡を確認。
・遺物包含層から、2世紀前半に後漢(中国)で製作された青銅鏡片や、古墳時代前期後半(4世紀後半)の絵画土器が出土。
・絵画土器は壺形土器の頸部に渦巻状の絵画と波状の絵画が描かれている。
・青銅鏡片は文様や厚さの特徴から、輪状に龍と虎を描く盤龍鏡(ばんりゅうきょう)である可能性が高い。絵画土器や鏡が出土した付近では古墳時代前期から中期(4~5世紀)の土器溜まりを確認。
【発見の意義】
・県内では漢鏡が10枚出土しているが、石見地域では庵寺古墳群(大田市仁摩町)が唯一の出土例であった。今回の発見により新たに江の川流域でも漢鏡が流通していたことが明らかとなった。
・絵画土器は、全国的には古墳時代初めまでに衰退する。古墳時代前期後半以降の類例は少なく、山陰地方では初めての発見となる。渦巻き状や波状のモチーフは龍や雷を表現した可能性がある。また、壺の頸部を1周して全体像が把握できる例は貴重である。
・漢鏡と古墳時代の絵画土器は、ともに古墳時代前期から中期の土器溜まり付近から出土しており、本遺跡が祭祀を行う場所であったことを示している。

2.現地説明会の開催
・日  時:令和2年1月26日(日) 13:00~14:00 ※申込み不要、参加費無料
・集合場所:添付の地図をご確認ください。
・駐車台数が限られますので、できるだけ乗り合わせでお越しください。
・滑りにくい靴でご参加ください。少雨の場合でも開催します。