141 古代山陰道とみられる道路跡を石見地域で初めて発見 ー高丸(たかまる)遺跡の現地説明会について ー


 島根県埋蔵文化財調査センターでは、国土交通省浜田河川国道事務所の委託を受けて、一般国道9号(福光浅利道路)の改築工事に伴う発掘調査を江津市黒松町所在の高丸遺跡で実施しています。このたび遺跡の状況が明らかになってきたことから、現地説明会を開催します。

1. 高丸(たかまる)遺跡について
調査期間:令和2年6月~12月(予定) 
調査面積:約1,800㎡
今年度の調査成果
 調査区の南側で古代道路の路盤と考えられる整地した土層を確認しました。硬くしまった整地土は最大約70㎝の厚さで盛られています。道路の範囲を復元するとほぼ直線的にのび、南北約50m以上、東西約10mになります。道路の下層からは古墳時代後期(6世紀)の須恵器などの破片が出土しています。
発見の意義
 遺跡周辺では、古代山陰道と推定されていたルートにほぼ沿うところで、幅10m前後の道路跡とみられる地形を200mにわたり確認しています。今回確認した道路は、そのうちの北側50mの部分に当たります。道路跡は、①整地した範囲が長くて幅広で大規模であること、②遺跡の南に道路の延長部分と考えられる切り通しがあること、③直線的であること、④整地した層から甕や壺などの生活にかかわる土器がほとんどない土木工事の跡であることから、古代山陰道の可能性が強いと考えられます。古代山陰道の調査例は、出雲ではこれまでにもありますが石見では初めてです。今回の調査は、石見の古代道の実態を示すものといえます。

2.現地説明会の開催          ※申し込み不要、参加費無料
・日  時:令和2年10月25日(日)10:00~12:00、13:00~15:30
(この間は随時見学できます。なお、10時から1時間おきに職員が説明します)
・集合場所:高丸遺跡 現地(江津市黒松町:別添地図参照)
・駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
・JR黒松駅から遺跡までは徒歩約10分、石見交通バス停「黒松出合」から遺跡までは約5分です。※現地への入り口は道の駅「サンピコごうつ」から約2km松江側にあります。
・当日、発熱・咳などの風邪症状がある場合には参加をご遠慮ください。
・滑りにくい靴でご参加ください。少雨の場合でも開催します。
・現地では、マスクの着用・手指の消毒・検温・連絡先の記入にご協力ください。