129 灰被(はいかつぎ)天目(てんもく)の完形品が出土―森原下(もりばらしも)ノ(の)原遺跡(はらいせき)の現地説明会について―


 島根県埋蔵文化財調査センターでは、江の川河川改修事業に先立ち、江津市松川町八神に所在する森原下ノ原遺跡の発掘調査を実施しています。
 このたび、弥生時代~江戸時代の遺物の様子が明らかとなったことから、その成果について現地説明会を開催します。
1.森原下ノ原遺跡について
概  要:弥生時代から江戸時代にかけての多様な遺物を発見した複合遺跡
調査期間:令和3年5月17日~令和3年12月末(予定)
調査面積:約4,200㎡
今年度の調査成果
・江の川の氾濫堆積層から中国の明代初頭(14世紀後半~15世紀初頭)に作られた灰被天目の完形品が出土。調査区全面で過去に起きた江の川の氾濫跡を検出。
発見の意義
・灰被天目とは中国の明代(14世紀~15世紀)に福建省で作られた黒釉の茶碗で、貿易品としても東アジアに広く流通した。日本では喫茶の受容に伴い、抹茶用の茶碗として禅宗の寺院や足利将軍家などの有力者のあいだで珍重された。
・各地の発掘調査で完全な形で見つかる例は極めてまれである。状態の良い完形品で見つかった例は全国で今回の出土例を含めて8例しかなく、県内では初の確認例。
・石見における茶の湯文化の受容を知るうえで重要である。
2.灰被天目の公開(申し込み不要、参加費無料)
(1)・日  時:令和3年10月8日(金)・9日(土) 10時~16時
・場  所:パレット江津1階ロビー
(2)・日  時:令和3年10月13日(水)~25日(月)9時~18時
・場  所:島根県立古代出雲歴史博物館 中央ロビー展示
3.現地説明会の開催
・日  時:令和3年10月9日(土) 10:30~11:30、14:00~15:00、2回開催
・駐車台数が限られますので、できるだけ乗り合わせでお越しください。
・滑りにくい靴でご参加ください。少雨の場合でも開催します。
4.その他
・新型コロナウイルス感染症対策のためマスクの着用、手指の消毒、検温、連絡先の記入にご協力の上、係員の指示に従ってください。
・開催日当日に発熱・咳等の風邪症状があった場合は観覧・参加をご遠慮ください。