113 旧石器時代に狩猟で使われた石器が出土


 島根県教育庁埋蔵文化財調査センターでは、国道432号大庭バイパス建設に伴う埋蔵文化財発掘調査を行っています。このたび、団原(だんばら)Ⅲ遺跡において旧石器時代の地層から石器が出土しましたので、調査成果を公開します。

1 今年度の調査と成果
⑴ 調査箇所 松江市大庭町 団原Ⅲ遺跡3区(調査対象面積:150㎡)
⑵ 調査期間 令和5年5月~8月(予定)
⑶ 遺跡の位置 茶臼山の南西に広がる標高23mの台地上に位置
⑷ 主な調査成果
① 旧石器時代の地層から黒曜石製の台形様(だいけいよう)石器(長さ3.76㎝、現存幅1.9㎝、厚さ0.89㎝、重量4.85g)が1点出土しました。3万年前頃のものと考えられます。
② 石器先端の刃部には縦方向の使用痕が残っていることから、狩猟用の槍先として使用された可能性があります。
⑸ 調査の意義
 島根県内で旧石器時代の遺跡は68カ所見つかっていますが、このうち8カ所が本遺跡のある台地周辺にまとまって分布しています。旧石器人は谷を見下ろす台地上を拠点にして、谷に集まるシカなどの獣を狩猟して生活していたと考えられます。今回の発見は、こうした旧石器人の活動の様子を具体的に示す貴重な資料といえます。

2 現地説明会の開催
調査成果を公開するために、現地説明会を開催します。
・日時:令和5年8月11日(金:山の日)10:00~11:30(小雨決行)
・開催場所:松江市大庭町 団原Ⅲ遺跡発掘調査現場
・現地には駐車場がありませんので、徒歩もしくは公共交通機関でお越しください。