134 史跡出雲国府跡 政庁域の東側で古代の整地土を確認


 埋蔵文化財調査センターでは、国指定史跡出雲国府跡(松江市大草町)の政庁域(政務を執る中心部分)の発掘調査を実施しています。このたび、中核施設である正殿の東側で古代の整地土を確認したことから、調査成果を公開します。

1 今年度の調査と成果
⑴  調査箇所 政庁域のうち、正殿東側にあたる範囲(約25㎡)
⑵  調査期間 令和5年9月19日~11月末(予定)
⑶  主な調査成果
・ 政庁域の中核施設である正殿の東側で、古代に造成された整地土を確認
・ 整地土の時期は、出土遺物から8世紀後半~9世紀初めと推測される。
・ この時期は政庁域の建物が掘立柱構造から礎石建物に改修される時期であり、建物の礎石 
  化にあたって政庁域周辺が大規模に造成された可能性が高い。
・ 整地土のさらに下層で、整地前の基盤層(地山)を確認
・ この他、東西方向に延びる溝を検出した。
・ 墨書で「国(くに)□(厨(くりや)?)」と書かれた須恵器の皿が出土
⑷  調査の意義
・ 政庁域の主要な建物の改修に伴い、整地を実施したことが明らかとなった。
・ 今回の調査で初めて古代の整地の実態がわかり、地盤改良にも大きな労力をかけていたこ
  とがわかった。

2 現地説明会の開催
調査成果を公開するために、現地説明会を開催します。
・ 日  時:令和5年11月23日(木・祝)13:30~15:00(小雨決行)
・ 開催場所:松江市大草町 史跡出雲国府跡(六所神社東隣)
・ 駐 車 場:六所神社南側の砂利敷き箇所