139 松江城下町遺跡白潟地区で江戸時代の大型礎石建物跡を確認


 埋蔵文化財調査センターでは、斐伊川水系大橋川河川改修に伴い松江市白潟本町・八軒屋町内において松江城下町遺跡白潟地区の発掘調査を実施しています。
 このたび、江戸時代の大型礎石建物跡を確認したことから、調査成果を公開します。

1 今年度の調査と成果
 ⑴ 調査箇所 松江市白潟本町・八軒屋町 松江大橋南詰東側(調査面積約200㎡)
 ⑵ 調査期間 令和5年10月10日~12月末(予定)
 ⑶  主な調査成果
 ・ 江戸時代から近代にかけての複数の遺構面を確認
 ・ 江戸時代(17世紀後半)の遺構面(第2遺構面)では東西9.5m×南北5m以上の大型礎
   石建物跡を検出。建物の柱を支える礎石には、長さ1mの大型の石材が使用されてお
   り、重量のある建築物が存在したと考えられる。
 ・ 近代の遺構面(第1遺構面)では町屋の基礎となる石列等が江戸時代の遺構と同位置に
   重ねて造られており、近代以降も江戸時代の地割が踏襲されている。
 ⑷  調査の意義
 ・ 松江大橋南詰は、江戸時代には有力な商家や大橋川を往来する船の積荷の点検・積み替
   えを行った船着き場が存在し、松江城下町における経済の中心地で、かつ交通の要所で
   もあった。
 ・ 今回の調査で確認された大型礎石建物跡は、その立地や規模から、商家の重厚な建物
   か、もしくは街道や大橋川を見下ろす櫓の可能性があり、白潟の町を象徴するような存
   在であったと考えられる。

2 現地説明会の開催
 調査成果を公開するために、現地説明会を開催します。
 ・ 日  時:令和5年12月17日(日)10:00~12:00(小雨決行)
 ・ 開催場所:松江市白潟本町・八軒屋町 松江城下町遺跡白潟地区発掘現場
 ・ その他:駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用ください。
        最寄りのバス停は「大橋南詰」