131 史跡出雲国府跡政庁域で8世紀末頃の改修に伴う遺構を確認


埋蔵文化財調査センターでは、国指定史跡出雲国府跡(松江市大草町)の政庁域(政務を執る中心部分)の発掘調査を実施しています。このたび、中核施設である正殿の東側で8世紀末頃の改修に伴う遺構を確認したため、調査成果を公開します。

1 今年度の調査と成果
⑴  調査箇所 政庁域のうち、正殿東側にあたる範囲(28.5㎡)
⑵  調査期間 令和6年9月9日~11月末(予定)
⑶  主な調査成果
・ 政庁域の中核施設である正殿の東側で、8世紀末頃に築かれた南北に溝を伴う
土手状の高まりを確認
・ 土手状の高まりは東西方向にのびており、通路もしくは政庁域を区画する施設
と考えられる。
・ 溝から出土した土器から10~11世紀前半頃まで機能していたと推測される。
・ 政庁域では、8世紀末頃のほか、7世紀末頃、11世紀後半頃、及び中世以降の
4時期に整地がおこなわれていたことがわかった。
⑷  調査の意義
・ 8世紀末頃は正殿をはじめ政庁の建物が掘(ほっ)立柱(たてばしら)建物から礎(そ)石(せき)建物に建て替え
られた時期で、土手状の高まりの構築も含めて政庁域の大規模な改修がおこなわれたと考えられる。
・ 政庁域において段階的に整地がおこなわれていたことが明らかになり、出雲国
府の成立から中世府中への変遷を考えるうえで基礎的な資料が得られた。

2 現地説明会の開催
⑴ 日  時:令和6年11月23日(土・祝)13:30~15:00(小雨決行)
⑵ 開催場所:松江市大草町 史跡出雲国府跡(六所神社東隣)
⑶ 当日のお問い合せ:090-5692-3486(埋蔵文化財調査センター公用携帯)