133 松江城下町遺跡白潟地区で城下町形成過程が判明


 埋蔵文化財調査センターでは、国土交通省より依頼を受け、令和3年度より大橋川河川改修事業に伴う松江城下町遺跡白潟地区の発掘調査を実施しています。このたび、松江大橋南詰周辺(白潟本町・八軒屋町)で城下町の形成過程について新たな知見を得ることができたので、その成果を公開します。

1 今年度の調査と成果
⑴  調査箇所 松江市白潟本町・八軒屋町 松江大橋南詰東側(調査面積約1,740㎡)
⑵  調査期間 令和6年5月20日~令和7年1月末(予定)
⑶  主な調査成果
・ 松江大橋南詰の東側は江戸時代に入り埋立造成されていることが判明した。
・ 八軒屋町では、数度の火災や地盤沈下の痕跡が確認された。
・ 寛永通宝を主とする800枚を超える多量の銭貨(せんか)や、銀決済用計量具(竿秤(さおばかり)の分銅4点や竿3本)など、活発な商業活動を示す遺物が出土した。
・ 水(すい)琴窟(きんくつ)や池など商人・富裕層の居住を推定させる遺構を確認した。
   ※水琴窟:地中に埋めた壺などに水が落ちることにより反響音が起こる施設
⑷  調査の意義
  ・ 松江大橋南詰は江戸時代から明治時代には水運の拠点であり、今回確認された屋敷群の様子から、白潟商人らの裕福な生活や活動をうかがうことができた。
  ・ 今回の調査で、白潟地区は松江城下町における経済の中心地であり、交通の要衝であった松江大橋南詰の街並みが、江戸時代初めまで遡ることが判明した。

2 現地説明会の開催
(1) 日  時:令和6年11月24日(日)10:00~11:30(小雨決行)
(2) 集合場所:松江城下町遺跡白潟地区発掘現場事務所(松江市和多見町183番地)
(3) 当日のお問い合わせ:080-8247-4617(埋蔵文化財調査センター公用携帯)
(4) その他:駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用ください。
        「大橋南詰」バス停下車すぐ