2872 令和6年度 病害虫発生予察情報 特殊報 第3号 ナシ胴枯細菌病の本県での初発生について


 令和6年11月、県西部のナシ(幸水、豊水)において、枯死する樹が散見されました。また、枯死樹の主幹や主枝からは、鉄さび色の樹液様物が漏出した痕跡が確認されました。枯死枝の内部は腐敗し、アルコール発酵臭を感じました。罹病部を持ち帰り顕微鏡で観察したところ、枝内部の褐変部から細菌の漏出が確認され、細菌による病害の可能性が高いと考えられました。そこで、横浜植物防疫所に病原細菌の同定を依頼したところ、Dickeya sp.によるナシ胴枯細菌病であることが判明しました。
 国内におけるナシ胴枯細菌病は、昭和47年に千葉県で初めて確認され、その後、福島県、秋田県、愛知県、高知県、鹿児島県および岐阜県から特殊報が発表されています。