139 史跡出雲国府跡 政庁域の施設変遷を確認


 島根県教育庁埋蔵文化財調査センターでは、国指定史跡出雲国府跡で政庁域(政務を執る中心部分)の発掘調査を行っています。このたび、政庁域の北側で施設が9世紀中葉以降に変化していることを確認しましたので、調査成果を公表します。
1 今年度の調査と成果
 ⑴ 調査箇所 松江市大草町 史跡出雲国府跡(調査対象面積:24.5㎡)
 ⑵ 調査期間 令和7年9月~11月下旬(予定)
 ⑶ 主な調査成果
 ① 出雲国府の中心部である政庁域の正殿北側で、古代の人工的な「くぼ地」を確認した。
 ②「くぼ地」は政庁域の区画の内外にまたがる形でつくられており、また過年度に見つかっ 
  た「95号溝」とつながるとみられることから、非常に規模の大きい遺構と想定される。
 ③「くぼ地」の時期は出土遺物から9世紀中葉以降と考えられ、この「くぼ地」がつくられ
  たことによって、政庁域の主要な建物である後殿が廃絶されたと推測される。
 ④くぼ地の性格は不明だが、土の堆積状況から土坑内には水が溜まっていた可能性がある。
 ⑷ 調査の意義
 ①出雲国府では、9世紀中葉以降に政庁域の施設配置が変化することが明らかにされてお
  り、今回確認された「くぼ地」も一連の流れでつくられたものと位置づけられる。
 ②今回の調査で、その変化は非常に大規模な改変を伴うものであったことが判明したため、
  9世紀中葉以降には、政庁域の景観だけではなく機能も変化していた可能性がある。
2 現地説明会の開催
 ⑴ 日  時 令和7年11月23日(日)13:30~14:30(少雨決行)
   ※終了後に島根県指定史跡東百塚山古墳群の現地説明会を開催します。
 ⑵ 開催場所 松江市大草町 史跡出雲国府跡(六所神社東隣)
 ⑶ 当日のお問い合せ 090-5692-3486(埋蔵文化財調査センター公用携帯)