| 掲載日 | 令和8年1月5日 |
|---|---|
| 担当 | 中山間地域研究センター 澤田誠吾 |
| TEL | 0854-76-3819 |
| メール | chusankan-choju@pref.shimane.Ig.jp |
2464 日本哺乳類学会が発行する国際誌への「ツキノワグマの栄養状態と堅果類の豊凶との関係性」に関する論文のオンライン掲載について
島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科研究員を中心とする国際共同研究チームが調査研究した論文「ツキノワグマの栄養状態と堅果類の豊凶との関係性」が、日本哺乳類学会が発行する国際誌「Mammal Study」に掲載されました。
(※オンライン版掲載日:令和7年12月20日 冊子発行日:令和8年1月予定)
1. 論文タイトル及び著者(国際共同研究チーム)
Variation in Fat Accumulation is Associated with Food Availability in Asian Black Bears
「ツキノワグマの栄養状態と堅果類の豊凶との関係性」
URL:<オンライン掲載先>https://doi.org/10.3106/ms2025-0018
著者:(国際共同研究チーム)
澤田 誠吾 (島根県中山間地域研究センター 鳥獣対策科長)
栃木 香帆子(国立研究開発法人国立環境研究所 特別研究員)
金森 弘樹 (元島根県中山間地域研究センター 研究調整監/現島根県東部農林水産振興センター出雲事務所 非常勤職員)
Sam M.J.G. Steyaert(ノルウェーNord大学 准教授)
小池 伸介 (東京農工大学大学院農学研究院自然環境保全学部門教授)
2.研究の概要
〇同国際共同研究チームは、島根県中山間地域研究センターが16年にわたり調査した約650頭にのぼるツキノワグマの栄養状態指標を用いて、ツキノワグマの脂肪量の季節変動や脂肪量と冬眠前の主要な食物であるブナ科樹木の果実(いわゆるドングリ)の結実豊凶との関係を分析しました。
〇その結果、ツキノワグマの脂肪量は季節変動しており、秋にピークを迎えた後、冬眠中だけでなく翌年の春から夏にかけて減少していくことなどが明らかになりました。
3.研究の成果
ツキノワグマの複数個所の体内脂肪量の季節変動や脂肪量と秋の主要な食物であるブナ科樹木の果実(いわゆるドングリ)の結実豊凶との関係を分析し、次の事項を確認。
①ツキノワグマの脂肪量は季節によって変化し、秋期に最も多く、冬眠から夏期にかけて減少すること。
②体内の脂肪は最初に皮下脂肪を使い、その後に内臓脂肪や骨髄脂肪を消費すること。
③秋のドングリの豊凶は翌年の脂肪蓄積にまで影響を及ぼし、不作年には栄養状態が翌夏まで悪化する「キャリーオーバー効果」が存在すること。
4.研究成果からの考察
〇ドングリが不作の年に人里へ出没した多くのツキノワグマの栄養状態は悪くなく、出没の主な要因は体内の脂肪蓄積量の低下という生理的な栄養状態の悪化、つまり“飢餓状態”ではない。
〇ツキノワグマが人の生活圏内に出没するのは、人里の果樹など魅力的な食物資源の存在が大きな要因である可能性が示唆された。
<日本哺乳類学会>(日本哺乳類学会ホームページより)
「日本哺乳類学会」は、哺乳類に関する知識の進歩と普及を図り、会員相互の交流を促すことを目的として活動(会誌の発行,研究発表会や講演会の開催,関連諸学会・諸研究機関との連絡など)しています。会員には,大学等に在籍する研究者のみならず学生や一般など広く参加しており、2022年6月末現在の会員数は1021名,団体会員12です。
(※オンライン版掲載日:令和7年12月20日 冊子発行日:令和8年1月予定)
1. 論文タイトル及び著者(国際共同研究チーム)
Variation in Fat Accumulation is Associated with Food Availability in Asian Black Bears
「ツキノワグマの栄養状態と堅果類の豊凶との関係性」
URL:<オンライン掲載先>https://doi.org/10.3106/ms2025-0018
著者:(国際共同研究チーム)
澤田 誠吾 (島根県中山間地域研究センター 鳥獣対策科長)
栃木 香帆子(国立研究開発法人国立環境研究所 特別研究員)
金森 弘樹 (元島根県中山間地域研究センター 研究調整監/現島根県東部農林水産振興センター出雲事務所 非常勤職員)
Sam M.J.G. Steyaert(ノルウェーNord大学 准教授)
小池 伸介 (東京農工大学大学院農学研究院自然環境保全学部門教授)
2.研究の概要
〇同国際共同研究チームは、島根県中山間地域研究センターが16年にわたり調査した約650頭にのぼるツキノワグマの栄養状態指標を用いて、ツキノワグマの脂肪量の季節変動や脂肪量と冬眠前の主要な食物であるブナ科樹木の果実(いわゆるドングリ)の結実豊凶との関係を分析しました。
〇その結果、ツキノワグマの脂肪量は季節変動しており、秋にピークを迎えた後、冬眠中だけでなく翌年の春から夏にかけて減少していくことなどが明らかになりました。
3.研究の成果
ツキノワグマの複数個所の体内脂肪量の季節変動や脂肪量と秋の主要な食物であるブナ科樹木の果実(いわゆるドングリ)の結実豊凶との関係を分析し、次の事項を確認。
①ツキノワグマの脂肪量は季節によって変化し、秋期に最も多く、冬眠から夏期にかけて減少すること。
②体内の脂肪は最初に皮下脂肪を使い、その後に内臓脂肪や骨髄脂肪を消費すること。
③秋のドングリの豊凶は翌年の脂肪蓄積にまで影響を及ぼし、不作年には栄養状態が翌夏まで悪化する「キャリーオーバー効果」が存在すること。
4.研究成果からの考察
〇ドングリが不作の年に人里へ出没した多くのツキノワグマの栄養状態は悪くなく、出没の主な要因は体内の脂肪蓄積量の低下という生理的な栄養状態の悪化、つまり“飢餓状態”ではない。
〇ツキノワグマが人の生活圏内に出没するのは、人里の果樹など魅力的な食物資源の存在が大きな要因である可能性が示唆された。
<日本哺乳類学会>(日本哺乳類学会ホームページより)
「日本哺乳類学会」は、哺乳類に関する知識の進歩と普及を図り、会員相互の交流を促すことを目的として活動(会誌の発行,研究発表会や講演会の開催,関連諸学会・諸研究機関との連絡など)しています。会員には,大学等に在籍する研究者のみならず学生や一般など広く参加しており、2022年6月末現在の会員数は1021名,団体会員12です。