109 四隅突出型墳丘墓(東百塚山20号墓)の発掘調査で突出部構造や葬送儀礼の一端を確認


 古代文化センターでは、考古基礎資料調査研究事業(墓制調査)として、島根県指定史跡「東百塚山古墳群」内の弥生時代の墳丘墓(ふんきゅうぼ)である東百塚山20号墓(松江市大草町)の発掘調査を行っています。このたび、墳丘の規模や構造などについて新たな知見を得ることができましたので、その成果を公開します。

1 今回の調査と成果
 ⑴ 調査の目的 
    東百塚山20号墓は平成25年度の島根県教育委員会の発掘調査で弥生時代の四隅突出
   型墳丘墓(よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ)と判明し、令和7年度の発掘調査で墳丘
   規模や墳頂平坦面の埋葬施設について詳細を確認している。しかし、墳丘墓隅部の突出
   部については北東隅部を調査したのみであり、そのほかの突出部については不明であっ
   た。松江市大橋川周辺では小規模な四隅突出型墳丘墓が密集しており、これらの墳丘墓
   の詳細を把握することは弥生時代後期の島根県域における社会を知る上で重要な知見が
   得られるため、令和7年度に引き続き発掘調査を実施した。
 ⑵ 調査期間 令和8年5月18日~7月末(予定)
 ⑶ これまでの発掘調査成果
   ・ 墳丘斜面や裾部に配石(はいせき)構造をもつ四隅突出型墳丘墓
   ・ 墳丘規模(突出部除く)は長辺約15m、短辺約11m
   ・ 墳頂平坦面で墓壙(ぼこう)を3基確認し、最大規模で長軸約3.6m、短軸2.5m
     ※同時期の松江市内で確認している墓壙(ぼこう)の規模としては最大規模
   ・ 墳丘墓と後背丘陵斜面間に土器を配置
 ⑷ 今回の発掘調査成果と意義
   ・ 突出部の構造を把握し、用途を検討する上で重要な知見を得た。
   ・ 墳丘墓築造にともなう大規模な造成範囲内から土器配置を新たに2箇所確認した。
   ・ 墳丘墓築造や突出部利用などの様相から、東百塚山20号墓における一連の葬送儀 
     礼を検討する上で重要な手がかりを得た。
2 現地説明会の開催
 ⑴ 日  時:令和8年7月25日(土)13:30~15:00(小雨決行)
 ⑵ 開催場所:東百塚山20号墓 現地(松江市大草町)
        駐車場は国史跡出雲国府跡 駐車場(別紙参照) ※徒歩20分程度
 ⑶ 当日のお問い合わせ:090-1013-7841(古代文化センター公用携帯)